ホーム > 予防について

予防について

フィラリア

予防接種の大切さ

フィラリア予防薬の原理と投薬期間

犬フィラリア症から大切な家族を守る為には適切な期間、月に1回予防薬を飲まさなければなりませんが、その適切な時期とは一般的に蚊が発生してから一か月後から蚊が活動
を停止してから一か月後とされています。
当院では昨年までは投薬期間を6月1日から12月1日までの7カ月間と指導してきましたが、今年(2012年)から投薬期間を6月の10日から12月の10日までの7カ月間に変更いたします。
何故なのか疑問に思う飼主さんもいらっしゃると思うので、その理由を説明します。


フィラリアの予防薬は実は駆虫薬である

フィラリアの成長はフィラリアに感染している犬の血液中に存在するミクロフィラリアを蚊が吸血するところから始まり、蚊によって感染を受けた犬の体内で成虫になるのに8カ月かかります。
フィラリアの予防薬はフィラリアの成長過程の早い段階のある時期に投与するとフィラリアを確実に殺すというお薬です。フィラリアがまだまだ極々小さいうちに駆虫します。フィラリアの感染そのものを予防するお薬ではありません。蚊が発生したからと言って慌てて予防薬を飲ませる必要は全くありません。


フィラリア予防薬が感染を受けたフィラリアを駆虫する時期

フィラリア感染犬のミクロフィラリア(L1)は蚊の吸血で蚊の体内に入ると1週間程の間に2回脱皮して感染子虫(L3)になりこの蚊が犬を吸血すると感染子虫は犬の体内に入ります。
犬の体内に入った感染子虫(L3)は早くて1日遅くても10日位で脱皮します。その1回目に脱皮した子虫を第4期子虫(L4)と呼びます。この第4期子虫(L4)の時期にフィラリアの予防薬を投与すると第4期子虫は全て死にます。

ではフィラリアが第4期子虫で存在する期間はどの位かというと50日から60日間だとされています。50日から60日経つとフィラリアは再び脱皮して第5期子虫(L5)となり、この時期にはもう予防薬では死ななくなります。以上が予防薬の原理です。

つまり犬にとっては感染時期に蚊にかまれてフィラリアに感染してから10日から50日位の間にその年の1回目の予防薬を飲めば良いという事になります。それでは予防薬の最後の投薬日は、どうでしょう?フィラリアの感染時期が終了してから10日以上たってから投薬すれば安全です。10日は感染子虫(L3)が全て脱皮して第4期子虫(L4)になるのに必要な日数です。50日は感染子虫(L3)が感染初日に脱皮して、第4期子虫(L4)になり、さらに最短の50日で2回目の脱皮をして第5期子虫(L5)になるのに必要な日数です。


フィラリアの感染時期とHDUの概念

春になって蚊が発生してもすぐにフィラリアに感染する訳ではありません。
フィラリア感染犬から蚊が吸血してもフィラリア感染子虫になるには蚊の体内で2回脱皮しないといけない前述しましたが、ミクロフィラリア(L1)が感染子虫(L3)になるには気温が大きく影響します。
1日HDU(フィラリアが蚊の体内で感染子虫に発育するのに必要な概算温度の単位)
1日HDU=日平均気温―14℃
日平均気温=(日最高気温+日最低気温)÷2
1日の最高気温と最低気温を足して2で割った温度が14℃を超えた日から超えた数を毎日足していきます。その積み重ねが130となる日が感染の開始日です。マイナスの日は0とします。感染の最終日は1日HDUを30日間足して130をキープできる日です。

このHDUの概念に基づいて2002年から2010年までの神戸市内でのフィラリアの感染開始日は5月8日から5月22日の間でした。同様に感染終了日は11月4日から11月15日の間でした。温暖化や異常気象の影響で毎年感染期間が異なります。

当院では毎年予防時期を6月1日から12月1日と決めて飼主様に指導してきました。
昨年(2011年)の感染開始日は5月20日と例年どおりでした。しかし異常気象の為に感染終了日は11月20日までずれ込みました。過去最高です。
当院の昨年の処方の12月1日は感染終了日の11日後なのでぎりぎりセーフでした。

前述したようにフィラリアの予防開始日は理論上は感染開始日10日から50日後の間に開始すれば良いのですが、予防終了日は感染最終日から10日以上あとでなければなりません。2012年以降も感染終了日がどんどん冬にずれ込んでいく可能性があります。そのために当院では2012年度のフィラリアの予防期間を6月10日から12月10日までの7カ月間とさせていただきます。


フィラリアの検査について

前年度にフィラリアの予防をしていなかったり、飲み忘れがある場合は必ずフィラリアの血液検査を受けてから予防薬を飲ませるようにして下さい。

フィラリアの成虫がいる犬に予防薬を飲ませると重篤な副作用が出る場合があります。検査の時期は理想的には前年度の最終感染日から7カ月後が良いとされています。2012年なら6月中旬が良いと思います。それ以前ですと感染していても抗原検査は陰性に出る可能性があります。

また感染犬の血液中にしかいないミクロフィラリア(L1)は夜に血液中に出てくるので、午前中より午後に検査したほうが良いと思います。

子犬のワクチネーションについて

子犬のワクチネーションについて

当院では子犬に対してのワクチン接種は出来るだけ少ない回数で効率的に行いたいと思っています。
ワクチンの種類も当院では6種混合ワクチンのみを使用しています。
怖い伝染病のうちウイルス感染で発生するジステンバー、伝染性肝炎、パルボウイルス感染症の三大疾病が予防できれば良いと思います。

レプトスピラ病の病原株が2種類入った物が8種混合ワクチンであり、3種類入った物が9種混合ワクチンですが、風土病的な性格を持つレプトスピラ病は当院のかいわいでは発生が無いために当院では接種していません。
副作用の発生率を減らす為にもなるべくシンプルなワクチンが良いと思います。


子犬がお家にきたら

子犬が家にきたら1週間は安静にさせましょう。
子犬にとって今まで過ごしてきた環境と変わるので結構ストレスがかかります。
1週間の内に今まで潜んでいた病気が明らかになる事もあります。


お電話でワクチンの日取りをご相談

当院では子犬がお家に来て1週間以内はワクチン接種を控えるようにしています。
子犬がお家に来たらまずはお電話を下さい。
適切なワクチン接種の日取りをご相談させて頂きます。
ワクチネーションは最短で生後105日齢で終了させる事が可能です。


来院日は時間的余裕を持って

当院では子犬にワクチンを接種した時は、接種後30分間、経過を観察しています。
診察時間の終了する少なくとも30分以上前にご来院下さい。
 

子猫のワクチネーション

子猫のワクチネーション

当院では猫のワクチンは三種混合ワクチンを使用しています。
ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症が予防出来ます。
生後9週齢以上の子猫に一回目のワクチン接種を行い、3~4週間後に二回目の接種を行います。

アクセス


大きな地図で見る
■所在地
〒653-0855
兵庫県神戸市長田区
長尾町1-7-14

■最寄り駅
山陽電気鉄道
神戸市営地下鉄 板宿

お問い合わせ 詳しくはこちら