らんちゅうブログ
2013年5月29日 水曜日
すごい経験
らんちゅうの採卵を始めて多分今年で27年目になりますが、かつて経験した事が無い貴重な体験をしました。
話はかなり長くなります。
4月26日に4腹目を採りましたが私が取りたかった本命ではありませんでした。
本命のお腹はその時はまだ固かったのでピンチヒッターでした。
ただこの4腹目はすごい成長力で尾も母親譲りのふわっと大きな尾をしています。
良い子ができるかもしれません。
では最後に採りたい腹とは・・・
昨年二回産卵をした三歳魚です。
昨年の1腹目は尾が開かずすぐに流しましたが、2腹目はすごい当たり腹でした。
その魚に前回の4腹目で活躍した雄を掛け合わせたい!
そうして臨んだ5月初旬の大潮でしたが、エラ病を患ってしまい。産卵どころではありませんでした。
0.8%の塩浴3日間で体調が戻りました。
あとは水を半分づつ替えていきながら飼育水の塩分濃度を徐々に低くしていきます。
さて次の大潮に向けて雌のお腹はどんどん膨らみ、雄の泳ぎも活発になっていきたし精子も出します。
産卵間違いなし!
しかし、しかし大きな問題がありました。舟が足りません。
半月の間に魚達も大きくなりどの舟もぎゅうぎゅう詰になっています。
また春に中国から運ばれてくる黄砂やPM2.5のせいなのか体調を崩している魚も多くいます。
産卵用の舟と養生用の舟を開ける。
簡単なようでなかなかうまくいきません。ちょっとしたパズルです。
それでも迫り来る大潮に向けて最大限の努力をして産卵舟の用意が出来たのが大潮が始まる前日でした。
あと二日で養生舟の段取りが出来そうな所まで来ていました。
他の稚魚達の世話だけでもかなり時間を奪われるのにハードな数日でした。
今回の産卵はかなりの手抜きをしないと乗り切れません。
毎日寒冷紗を敷いたりはずしたり・・・そんなめんどくさいことはしておれません。
産卵藻だけなら作業はすぐに終わります。
大潮前日に産卵舟をセットして大潮の二日目に予定通り産卵しました。
普段なら目覚まし時計などいらず日の出とともに自然と目を覚ますのですが、その朝は目覚まし時計に起こされました。
産卵舟の水が精子で白く濁っていました。
親たちを養生舟に移さなければなりませんが、その舟が洗えていません。
他の魚達の給餌とかもしなければなりません。
仕事の時間になってしまいました。
「まあまだ雄も雌を追っているようだし親魚を養生舟に移すのは昼休みでいいか・・・」
軽い気持ちでいたのですが、これが奇妙な体験の始まりでした。
昼休みに舟を除くと4匹の親達がせっせと舟底をちゅぱちゅぱしています。
そうです。やってしまいました。さぞかしおいしかったでしょう。
おかげで頭の中が真っ白になりました。
急いで親魚たちを洗面器に掬い卵の確認をしましたが、舟の底も横もつるっつるでした。
そんな中、ダマになって舟底を浮遊している卵の一団とエアーストーンの下に卵がダマになって少し残っていました。
産卵藻の表面は結構チュパチュパされたらしく少なそうです。
さて翌日の様子です。
ダマは受精していました。
さて二日目の様子です。
この日は日曜日なので水替えのノルマがかなりありました。
産卵舟を覗いたのは夕方でした。
「少し早いけど卵の中に目ができていないかな。目が出来ていれば卵を見つけやすくなるのだが・・・」
エアーストーンの下の卵のダマを箱メガネの代用として梅酒のビンで探します。
「おかしいなあ。卵が残骸になっているぞ。受精はしていなかったのか?」
他のダマを確認する為に梅酒のビンを横にずらしていきます。その時に非常に細い小さなものが水流で横にずれました。
何故そうなってしまったのか今でも推測の域を出ませんが、それは全く成長できていない稚魚達でした。
全てが横になりコンマ状に近い体型でした。
魚が餌を食べるときにたくさんほおばって一度吐き出してまた食べる。そんな光景をよく見ます。
多分親魚達にちゅぱちゅぱされて吐き出された卵がエアーストーンの下に吸い寄せられて来たのだと思います。
卵殻が早期に壊れて中の稚魚が放りだされたのだと思いました。
「これはだめだな。」
そして三日目。舟を覗くと昨日と同じ場所に未熟児達は仲良くねそべっていてまだ生きています。
そして四日目。稚魚の数が前日に比べて数倍になりました。
藻に付着していた無傷な卵の孵化が始まりました。
未熟児たちはどうかというと少しずつ成長していて横になっていたのが起きていました。
今後どうなるのでしょう?
実に興味深い。
そして五日目。昨日孵化した魚の一部が泳ぎだしたためにシュリンプをあげました。
五日目(今日)の画像のみ撮ってあります。
話はかなり長くなります。
4月26日に4腹目を採りましたが私が取りたかった本命ではありませんでした。
本命のお腹はその時はまだ固かったのでピンチヒッターでした。
ただこの4腹目はすごい成長力で尾も母親譲りのふわっと大きな尾をしています。
良い子ができるかもしれません。
では最後に採りたい腹とは・・・
昨年二回産卵をした三歳魚です。
昨年の1腹目は尾が開かずすぐに流しましたが、2腹目はすごい当たり腹でした。
その魚に前回の4腹目で活躍した雄を掛け合わせたい!
そうして臨んだ5月初旬の大潮でしたが、エラ病を患ってしまい。産卵どころではありませんでした。
0.8%の塩浴3日間で体調が戻りました。
あとは水を半分づつ替えていきながら飼育水の塩分濃度を徐々に低くしていきます。
さて次の大潮に向けて雌のお腹はどんどん膨らみ、雄の泳ぎも活発になっていきたし精子も出します。
産卵間違いなし!
しかし、しかし大きな問題がありました。舟が足りません。
半月の間に魚達も大きくなりどの舟もぎゅうぎゅう詰になっています。
また春に中国から運ばれてくる黄砂やPM2.5のせいなのか体調を崩している魚も多くいます。
産卵用の舟と養生用の舟を開ける。
簡単なようでなかなかうまくいきません。ちょっとしたパズルです。
それでも迫り来る大潮に向けて最大限の努力をして産卵舟の用意が出来たのが大潮が始まる前日でした。
あと二日で養生舟の段取りが出来そうな所まで来ていました。
他の稚魚達の世話だけでもかなり時間を奪われるのにハードな数日でした。
今回の産卵はかなりの手抜きをしないと乗り切れません。
毎日寒冷紗を敷いたりはずしたり・・・そんなめんどくさいことはしておれません。
産卵藻だけなら作業はすぐに終わります。
大潮前日に産卵舟をセットして大潮の二日目に予定通り産卵しました。
普段なら目覚まし時計などいらず日の出とともに自然と目を覚ますのですが、その朝は目覚まし時計に起こされました。
産卵舟の水が精子で白く濁っていました。
親たちを養生舟に移さなければなりませんが、その舟が洗えていません。
他の魚達の給餌とかもしなければなりません。
仕事の時間になってしまいました。
「まあまだ雄も雌を追っているようだし親魚を養生舟に移すのは昼休みでいいか・・・」
軽い気持ちでいたのですが、これが奇妙な体験の始まりでした。
昼休みに舟を除くと4匹の親達がせっせと舟底をちゅぱちゅぱしています。
そうです。やってしまいました。さぞかしおいしかったでしょう。
おかげで頭の中が真っ白になりました。
急いで親魚たちを洗面器に掬い卵の確認をしましたが、舟の底も横もつるっつるでした。
そんな中、ダマになって舟底を浮遊している卵の一団とエアーストーンの下に卵がダマになって少し残っていました。
産卵藻の表面は結構チュパチュパされたらしく少なそうです。
さて翌日の様子です。
ダマは受精していました。
さて二日目の様子です。
この日は日曜日なので水替えのノルマがかなりありました。
産卵舟を覗いたのは夕方でした。
「少し早いけど卵の中に目ができていないかな。目が出来ていれば卵を見つけやすくなるのだが・・・」
エアーストーンの下の卵のダマを箱メガネの代用として梅酒のビンで探します。
「おかしいなあ。卵が残骸になっているぞ。受精はしていなかったのか?」
他のダマを確認する為に梅酒のビンを横にずらしていきます。その時に非常に細い小さなものが水流で横にずれました。
何故そうなってしまったのか今でも推測の域を出ませんが、それは全く成長できていない稚魚達でした。
全てが横になりコンマ状に近い体型でした。
魚が餌を食べるときにたくさんほおばって一度吐き出してまた食べる。そんな光景をよく見ます。
多分親魚達にちゅぱちゅぱされて吐き出された卵がエアーストーンの下に吸い寄せられて来たのだと思います。
卵殻が早期に壊れて中の稚魚が放りだされたのだと思いました。
「これはだめだな。」
そして三日目。舟を覗くと昨日と同じ場所に未熟児達は仲良くねそべっていてまだ生きています。
そして四日目。稚魚の数が前日に比べて数倍になりました。
藻に付着していた無傷な卵の孵化が始まりました。
未熟児たちはどうかというと少しずつ成長していて横になっていたのが起きていました。
今後どうなるのでしょう?
実に興味深い。
そして五日目。昨日孵化した魚の一部が泳ぎだしたためにシュリンプをあげました。
五日目(今日)の画像のみ撮ってあります。
投稿者 石原 | 記事URL
2013年5月14日 火曜日
4腹目の選別
いきなりですみません。あやしいものではありません。餌を貰い始めてまだ10日目のらんちゅうのおちびちゃんです。立派に開いた尾を見て下さい。
すっかり更新をさぼってしまいましたが、我が家では4月26日に4腹目の産卵がありました。
雌親は一昨年に導入した魚ですが昨年は抱卵しませんでした。
三歳の雌なので卵も大きくてしっかりとした稚魚が約2000匹孵化しました。
卵は10000個以上産みましたが、受精率が悪く半ば諦めていましたが、結果オーライで一番管理がしやすい匹数となりました。
産卵2日目にバイオバクテリアであるバイオシークスルーを投入し、五日目に孵化しました。7日目から餌を与え始めてまたバクテリアの投入。
さらに13日目にバイオを投入しました。
昨年の7月からバイオバクテリアが新しくなり昨年の晩秋から8年ぶりに使ってみましたが、古いタイプとは比べようがないくらいニューバイオは良いです。
ただ孵化した稚魚の数が多すぎるとバイオバクテリアを使っても給餌を開始して1週間以内に水替えが必要になります。
水替えが遅れると稚魚はどんどん死んでしまいます。私はその状態をタイタニックと呼んでいます。
ちなみに今年の1腹目は二回もタイタニックを起こしてしまい選別をする頃には700匹になってしまいました。
選別はこのように稚魚を掬い良い魚を抜き取るか、悪い魚を撥ねるかで行いますが、一番困るのはその段階でどちらともいえない魚をどうするか?という事です。
性格もあると思いますが私の場合は分からない魚は残す傾向にあります。残せばまた次の選別で同じ魚を見なければならず、非効率的なのですが・・・
画像の様にふな尾や尾開きの悪い魚や体の曲がったものや上手に泳げない魚は撥ねます。
今年の2腹目、3腹目は奇形が多く尾も開かず最初の選別で1匹も通過できませんでした。
その意味でもこの4腹目は当たり腹になるかもしれません。
雌親は一昨年に導入した魚ですが昨年は抱卵しませんでした。
三歳の雌なので卵も大きくてしっかりとした稚魚が約2000匹孵化しました。
卵は10000個以上産みましたが、受精率が悪く半ば諦めていましたが、結果オーライで一番管理がしやすい匹数となりました。
産卵2日目にバイオバクテリアであるバイオシークスルーを投入し、五日目に孵化しました。7日目から餌を与え始めてまたバクテリアの投入。
さらに13日目にバイオを投入しました。
昨年の7月からバイオバクテリアが新しくなり昨年の晩秋から8年ぶりに使ってみましたが、古いタイプとは比べようがないくらいニューバイオは良いです。
ただ孵化した稚魚の数が多すぎるとバイオバクテリアを使っても給餌を開始して1週間以内に水替えが必要になります。
水替えが遅れると稚魚はどんどん死んでしまいます。私はその状態をタイタニックと呼んでいます。
ちなみに今年の1腹目は二回もタイタニックを起こしてしまい選別をする頃には700匹になってしまいました。
選別はこのように稚魚を掬い良い魚を抜き取るか、悪い魚を撥ねるかで行いますが、一番困るのはその段階でどちらともいえない魚をどうするか?という事です。
性格もあると思いますが私の場合は分からない魚は残す傾向にあります。残せばまた次の選別で同じ魚を見なければならず、非効率的なのですが・・・
画像の様にふな尾や尾開きの悪い魚や体の曲がったものや上手に泳げない魚は撥ねます。
今年の2腹目、3腹目は奇形が多く尾も開かず最初の選別で1匹も通過できませんでした。
その意味でもこの4腹目は当たり腹になるかもしれません。
親魚です一番大きいのが雌親三歳です。この系統は筒が極端に細いのですが長手で頭から背が太くふわっと派手な尾を持っていて非常にバランスの良い系統です。
雄親は二歳で静岡のOさんの魚達です。特に1匹は太い筒をしています。
今回の4腹目の産卵風景ではありませんが、2腹目の産卵の様子をうまく撮る事が出来ました。
ただ子供達はだめだったけど・・・
らんちゅうの産卵です。動画をどうぞ
投稿者 石原 | 記事URL